【8月26日 AFP】世界保健機関(WHO)は25日、今年に入ってから新型コロナウイルスで死亡した人が世界で100万人に上ったと発表し、死を防ぐさまざまな手段があるにもかかわらず「悲劇的な節目」を迎えたと指摘した。

 2019年末に中国で初めて同ウイルスが検出されて以降、累計で約645万人の死亡がWHOに報告されている。だが同機関のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は、世界が本当にコロナ流行に対処できているのかと疑問を呈した。

 テドロス氏は記者会見で「今年報告された死者数は今週、100万人という悲劇的な節目を超えた」と説明。「パンデミック(世界的な大流行)開始から2年半が経過し、こうした死を防ぐために必要なあらゆる手段があるにもかかわらず、今年だけで100万人が新型コロナウイルスで死亡している。これで私たちが同ウイルスと共存することを学んでいるとは言えない」と指摘した。

 テドロス氏は、6月末までにすべての国でワクチン接種率70%を達成する目標を掲げていた。だが目標に達しなかった国は136に及び、うち66か国は接種率が40%未満にとどまっている。同氏は各国の政府に対し、目標達成に向け、医療従事者や高齢者ら高リスク層への接種を強化するよう呼び掛けた。(c)AFP/Robin MILLARD