【8月25日 AFP】世界一周飛行に挑戦していた英国系ベルギー人のマック・ラザフォード(Mack Rutherford)さん(17)が24日、出発地点のブルガリアの空港に5か月と1日ぶりに帰還した。単独での世界一周飛行の最年少記録となり、ギネス世界記録(Guinness World Records)に認定された。

 ラザフォードさんがブルガリア・ラドミル(Radomir)近郊の空港を出発したのは今年3月。同じ空港で家族に出迎えられたラザフォードさんは「夢を追い掛ければ何かを変えられることを若い人たちに示したい」と話した。

 飛行距離は5万4000キロ、飛行時間は221時間に及んだ。横断した国の数は30か国。気温が48度に達した場所もあった。領空通過許可を得るために長時間待たされたり、強風を避けるため米アラスカ州西部の無人島、アッツ島(Attu Island)に着陸したりしたこともあった。

 ロシアによるウクライナ侵攻の影響で飛行ルートの変更も余儀なくされた。ロシア上空は避け、代わりにパキスタン、インド、中国、韓国、日本と迂回(うかい)ルートを取り、さらに太平洋を10時間かけて横断して米国に到達。「一番大変な区間だった」とラザフォードさんは振り返った。

 パイロット一家に生まれたラザフォードさんが初めて操縦桿(かん)を握ったのは、7歳の時。姉のザラ(Zara Rutherford)さんも今年1月、19歳で超軽量小型飛行機による世界一周単独飛行の最年少記録を達成していたが、ラザフォードさんはその記録を更新した。

 ザラさんは「とてもうれしい」と弟を称賛した。ザラさんは、女性最年少という記録は依然保持している。

「自分が塗り替えたい記録は今のところはない」とラザフォードさん。「学校に戻って遅れを取り戻したい」と語った。(c)AFP