【8月24日 AFP】サッカーウクライナ1部リーグは23日、ロシアによる侵攻がいまだ続く中、新シーズンが開幕。同リーグの再開は、戦争で荒廃した国の士気を高めるための取り組みの一環だと考えられている。

 首都キーウのオリンピスキ・スタジアム(Olimpiysky Stadium)で行われた開幕戦のシャフタール・ドネツク(Shakhtar Donetsk)とメタリスト1925(FC Metalist 1925 Kharkiv)の試合は0-0の引き分けに終わった。

 試合前の感動的なセレモニーでは、両チームの選手や審判がウクライナ国旗をまとってピッチに登場し、「われわれは等しく勇敢」と書かれた横断幕を広げた。

 シャフタールの選手たちは試合前、ユニホームの上に「ドネツク(Donetsk)。ウクライナが勝利する」と書かれたTシャツを着用していた。一方、メタリストの選手も「ハルキウ(Kharkiv)。ウクライナが勝利する」と記された同様のシャツを着ていた。さらにメタリストは、通常のスポンサーロゴではなくウクライナ軍の紋章があしらわれたユニホームを着用して試合に臨んだ。

 また侵攻の犠牲となったウクライナ人を追悼する黙とうが行われた後、ウクライナ兵による始球式が行われた。

 警備上の理由から試合は無観客で行われることになるが、この日はスタジアムの外では応援の声が上がった。

 ディナモ・キーウ(Dynamo Kyiv)を応援する35歳の男性ファンは、リーグ戦の再開は「非常に重要」だと語り、「戦争にわれわれは止められないということを示している」とコメントした。

 戦争は、特に小規模で財政的に安定しないサッカークラブに壊滅的な影響を及ぼしている。1部リーグに所属するFCマリウポリ(FC Mariupol)とデスナ・チェルニヒウ(Desna Chernigiv)は、来季復帰する権利を与えられた上で今シーズンの参加を免除された。

 同リーグを再開させるという決断は、ウクライナの士気を高めることを目的に、ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領自身によって下されたと報じられている。(c)AFP