【8月24日 AFP】米ツイッター(Twitter)が、自社の個人情報保護策にある明らかな脆弱(ぜいじゃく)性について米規制当局やユーザーを欺いていたとする告発状が、同社の元安全対策責任者により米証券取引委員会(SEC)に提出されたことが23日、明らかになった。総額440億ドル(約6兆円)での同社買収を撤回した実業家イーロン・マスク(Elon Musk)氏が同社と繰り広げている法廷闘争に影響を与える可能性がある。

 告発をしたのは、「マッジ(Mudge)」の通称で知られる著名ハッカーで、今年1月に同社から解雇されたピーター・ザトコ(Peiter Zatko)氏。米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)と米CNNテレビが報じた告発状の内容によると、同社は旧式のサーバーや、サイバー攻撃への脆弱性を抱えたソフトウエアを使用している他、経営陣はハッキングの試みを受けた回数を米当局や取締役会に対して隠匿しようとしていた。

 さらにザトコ氏は、同社がボット(自動投稿を行う偽アカウント)やスパム対策よりもユーザー数の拡大を優先し、ボットの数を過小に見積もっていると告発した。マスク氏は同社の買収撤回に当たり、同様の問題を理由に挙げていた。

 ツイッターの広報担当者は23日、AFPに対し、ザトコ氏はリーダーシップ能力の欠如や業績不振を理由に解雇されたと説明。同氏の主張には矛盾や不正確な点が多いとし、「日和見的なタイミング」での告発により注目を集め、同社や顧客、株主に損害を与える意図があったとの見解を示した。

 CNNによると、ザトコ氏はマスク氏の同社への関与が明らかになる以前から告発の手続きを進めており、両氏は連絡を取り合っていない。マスク氏の代理人弁護士アレックス・スピロ(Alex Spiro)氏はAFPに対し、ザトコ氏を召喚したと説明。ザトコ氏を含む主要社員のツイッター退社について「われわれが発見してきたことと照らし合わせると興味深い」と述べた。(c)AFP