【8月21日 AFP】サウジアラビアのジッダ(Jeddah)で20日、同国初となる女子プロボクシングの試合が行われ、ソマリア生まれのラムラ・アリ(Ramla Ali、英国)がクリスタル・ガルシア・ノバ(Crystal Garcia Nova、ドミニカ共和国)から圧巻の1回TKO勝ちを収めた。

 キング・アブドゥラー・スポーツシティー・アリーナ(King Abdullah Sports City Arena)で行われた女子スーパーバンタム級の試合で、アリはいきなり相手の頭部とボディーに重いパンチを打ち込むと、最後はノバのあごにマウスピースを吹き飛ばす強烈な右を浴びせて勝利した。

 アリは「リングに戻ってもう少しミット打ちをする必要があるような感覚。1速からギアを上げる暇もなかった」と話し、「TKO勝ちできて最高」と喜んだ。

 これでプロ通算7戦全勝とし、タイトルマッチ挑戦へ前進しているアリ。難民としてソマリアの内戦を逃れた過去を持つ32歳は、試合前の現地ジッダで15歳の少女も参加した女性向けボクシング教室も開催し、サウジ女性に勇気を与える存在になりたいと話していた。

 プレスリリースの中で、アリは「主催者が私を招待し、このファイトを実現させた事実は、この土地の文化が変わりつつあることを示している。私と対戦相手がサウジアラビアで戦うことで、未来の世代に勇気を与えられればと願っている」と述べている。(c)AFP