【8月20日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は19日、シリアの領土を奪取するつもりはないと述べた。トルコはシリア北部でクルド人勢力への攻撃を強めている。

 トルコは数日前、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権軍が運営する国境検問所を空爆。17人を殺害したとされる。

 シリア内戦を監視する団体によると、死亡したのは検問所に詰めていたクルド人民兵と政権軍の兵士。

 トルコは空爆について、シリア国境沿いの拠点が攻撃を受け、トルコ兵2人が殺害されたことへの報復だと主張している。

 一方でエルドアン氏は、緊張緩和に努めているとみられる。トルコメディアによると、ロシアの侵攻開始後、初めてウクライナを訪問して帰国する機内で、「シリア国民はわれわれの兄弟なので、シリアの領土は眼中にない」として、「(シリアのアサド)政権はこのことを認識しておくべきだ」と記者団に述べた。

 エルドアン氏は2週間前、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と黒海(Black Sea)沿岸のリゾート都市ソチ(Sochi)で会談。シリアについても協議していた。

 シリア北部においてロシアとの緊密な協力関係をさらに強化したい意向をプーチン氏に伝えたとして、「シリアでの行動について、ロシアに逐一連絡している」と述べていた。(c)AFP