【8月19日 CNS】コロナ禍が続く中、中国では対面形式の就職活動は最小限に抑えられ、多くの企業は学生たちと「オンライン面接」を選択している。大学側は学生のため教室や図書館、学生寮を面接の場所に提供。クラウド面接は就職活動の効率を大幅に向上させたが、一方でさまざまな制約もある。

 北京市内の通信事業会社で管理職を務める王彬(Wang Bin)さんは「オンライン面接は時間とコストを節約できます。以前は1日に十数人しか面接できなかったのが、現在は数倍も可能になりました」と利点を語る。ただ、オンライン面接は気軽に申し込めるためか、面接を「無断欠席」する学生も。カメラに映らない位置で友人が不正行為を手伝うこともあるという。

「オンライン面接では、候補者の総合的な評価も難しい」と王さん。対面形式の面接ではチームワーク能力を評価するため複数の学生に運営プランについて話し合ってもらうことがあるが、オンラインのグループ面接ではまとまりのない「グループチャット」の状態になりがちという。

 大手IT企業コンテンツ運用部門の責任者、梁露(Liang Lu)さんは「一部の学生はカメラに映る自分の目線や服装に気を配りすぎている。クラウド面接中に画面が消えたりフリーズしたりすることも能力に関係ない」と説明。「結局、オンラインでも対面でも私たちが重視するのは、その人が会社にとって戦力となるかどうかです」と話す。

 人材コンサルタント会社首席顧問の劉芳(Liu Fang)さんは「企業は本来、直接の対面形式を希望している。カメラの前では日ごろとは違う行動を取る場合がある」と指摘。それでも「最終的に採用結果は対面とオンラインで大差はない。ネットワーク上の問題でオンライン面接がスムーズに行かない場合でも、学生が冷静に礼儀正しく対応すればむしろプラスポイントにもなる」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News