【8月17日 AFP】中国では、当局が政治的な活動家らを適正な手続きを経ずに精神科病院を使って拘禁している状態が続いていることが、人権団体が16日に公表した報告書で明らかになった。

 スペインを拠点とする人権団体「セーフガード・ディフェンダーズ(Safeguard Defenders)」はこの中で、反体制派を罰するため、医師や医療制度が当局と共謀関係にあると批判した。

 2010年代初めに精神科に関する医療改革が実施され、医学的な同意や司法の監視強化が導入されたものの、実態は変わっていないという。

 この報告書は、人権活動家の劉飛躍(Liu Feiyue)氏が創設した人権モニタリング組織「市民権と生活ウオッチ(Civil Rights and Livelihood Watch)」がインターネット上で公開した、被害者やその家族のインタビューに基づくデータを主に活用しまとめられた。

「10年前に残酷な慣行をなくすために法改正したにもかかわらず、中国共産党は2022年にも、政治的な標的となった人を精神科病院に収容し続けている」と指摘している。

 さらに被害者の多くは、当局に不満を訴える「陳情者」で、拘禁状態に置かれて肉体的、精神的な虐待行為を受けるケースが多いとされる。殴打や電気ショック療法、独房での監禁などを受けたという被害者の声を紹介している。(c)AFP