【2月23日 AFP】中国・江蘇(Jiangsu)省で、首を鎖でつながれた女性が見つかった問題で、当局は23日、女性の夫とされる男が逮捕され、地元関係者少なくとも17人が処分されたと発表した。

 極寒の中、粗末な小屋で首を鎖でつながれた女性の動画が先月拡散し、精神疾患や人身売買をめぐる激しい議論が起きていた。

 省当局は、統合失調症と診断されているこの女性について、南西部雲南(Yunnan)省の村から連れ去られた後、複数回売買され、1998年には5000元(現レートで約9万円)で売られたことが分かったと明かしている。

 女性が鎖につながれた状態で発見された地域の関係者は当初、誘拐や人身売買の疑いを否定していたが、非難が強まったことを受けて、より高いレベルでの調査が始まっていた。

 その結果、女性は江蘇省の人物に買われ数か月共に暮らした後姿を消し、今度は宿泊施設を経営する男女の元で暮らした。さらに2度売られ、現在の夫とされる人物の一家に買われたという。女性には8人の子どもがいる。

 当局は、夫に加え、人身売買容疑で別の2人が22日に正式に逮捕されたと発表した。女性の人身売買をめぐっては、さらに容疑者6人の捜査が続いている。また、地元関係者17人が処分され、うち8人は懲戒免職となった。

 中国では、2016年まで続いた厳格な一人っ子政策により、男児を望む風潮が生まれ、女性の人口が少ない。男女比の不均衡により、人身売買が深刻化したとする米議会の報告書もある。(c)AFP