【8月16日 AFP】22-23イタリア・セリエAは15日、第1節の試合が行われ、ナポリ(SSC Napoli)はアウェーでエラス・ベローナ(Hellas Verona)を5-2で下したが、FWヴィクター・オシムヘン(Victor Osimhen)が人種差別の被害に遭い、試合に水を差す結果となった。

 長くチームを支えたカリドゥ・クリバリ(Kalidou Koulibaly)やロレンツォ・インシーニェ(Lorenzo Insigne)、ドリース・メルテンス(Dries Mertens)が退団するという難しい夏を迎えたナポリだが、オシムヘンやクヴィチャ・クワラツヘリア(Khvicha Kvaratskhelia)、ピオトル・ジエリンスキ(Piotr Zielinski)、スタニスラフ・ロボツカ(Stanislav Lobotka)、マッテオ・ポリターノ(Matteo Politano)にゴールが生まれるなど絶好調で、完璧なスタートを切った。

 CKからケビン・ラザニア(Kevin Lasagna)に先制点を許したナポリは前半アディショナルタイム、ジョバンニ・ディ・ロレンツォ(Giovanni Di Lorenzo)がボールをそらしたところにオシムヘンが反応し、その失点の場面と同じような形から逆転ゴールを奪った。

 試合会場となったスタディオ・マルカントニオ・ベンテゴディ(Stadio Marcantonio Bentegodi)にいたAFPの記者は、ホームのベローナファンの一部がオシムヘンにモンキーチャント(猿の鳴きまね)を浴びせているのを耳にした。

 長年にわたり熱狂的ファンが極右派を支持しているベローナでは、これまでにもファンによる人種差別チャントが繰り返されている。

 今季初ゴールを決めたオシムヘンは装着していたフェースマスクを外し、ピッチ脇のカメラに向かって泣きまねをしたが、これは同選手が得点の前に人種差別を耳にしていたことを示唆している。(c)AFP