【8月15日 AFP】失意の監督1年目を過ごし、イタリア・セリエAのユベントス(Juventus)を解任されてから1年、元イタリア代表のレジェンド、アンドレア・ピルロ(Andrea Pirlo)氏が、トルコ1部リーグのファティ・カラギュムリュク(Fatih Karagumruk SK)から、指導者としての再起を図るシーズンをスタートさせる。

 6月中旬、きれいな青のスーツに身を包み、イスタンブールのホテルで就任会見に臨んだピルロ新監督は、トルコのスポーツメディアに対して、「どういうサッカーをやりたいかの考えは持っているし、成功のシーズンにしたい」と力強く語った。

 現在43歳のピルロ監督は2020年8月、トップレベルの指導は未経験のままユベントスの監督に就任。イタリア杯(Italian Cup 2020-21)ではタイトルを獲得したが、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2020-21)は16強で敗退し、リーグでは4位に終わって10連覇を逃した。その責任を取る形で解任されたが、今回、昨季リーグ8位でフィニッシュしたカラギュムリュクの指揮官に就任した。

 イスタンブールにはガラタサライ(Galatasaray)、フェネルバフチェ(Fenerbahce)、ベシクタシュ(Besiktas)というトルコサッカー界を席巻する3クラブがあるが、カラギュムリュクはボスポラス(Bosphorus)海峡の欧州側にあり、労働者階級の多い地区をホームとする。

 2006年のW杯ドイツ大会(2006 World Cup)でチームを優勝に導いたピルロ監督は、現役時代にボールを保持するサッカーを志向していたことから、トルコでは「バシュバカン(首相)」の異名を持つ。

 長年のカラギュムリュクサポーターだという60代の男性はAFPの取材に対し、「名選手が名監督になるとは限らないが、来てくれたのは素晴らしい。3強のどこかに就任していたら、新聞はその話題で持ちきりだったはずだ」と話した。