【8月16日 People’s Daily】中国は2008年、先進国との間で初めてとなる自由貿易協定(FTA)をニュージーランドと締結した。そして昨年1月、両国はFTAをアップグレードする改定協定に署名した議定書に署名し、今年4月7日に発効した。

「これまでニュージーランドとのFTA証明書は、製品の出荷前か出荷日にしか申請できず、しかも申請が遅いと判断された場合、受け付けられない場合がありました。協定が改定され、出荷後も申請ができるようになりました」。広東省(Guangdong)深セン市(Shenzhen)で貿易会社を営む葉さんは語る。今年に入り、改定FTAの恩恵を受けて約170万元(約3360万円)の輸入関税を削減できたという。

 中国商務部の王受文(Wang Shouwen)次官は「中国は現在、26か国・地域と19件のFTAを締結しており、10年前からほぼ倍増した。中国のFTAはアジア、オセアニア、南米、欧州、アフリカをカバーし、FTAによる貿易は国際貿易の約35%を占めている」と説明する。

 FTAは数が増えているだけでなく、質も高まっている。2012年以降、中国は海外と新たに9件のFTAを締結し、関税がゼロとなった製品の割合は90%を超えている。通関に要する期間も輸入品では2017年の約4日間から1日半未満に短縮され、輸出品は約12時間からわずか約1.2時間となった。

 サービス貿易と投資の分野では、2001年の世界貿易機関(WTO)加盟時は100分野を開放すると約束したが、今年1月に発効した東アジア地域包括的経済連携(RCEP)では、さらに22分野を追加。製造業や農業、鉱業などではより高いレベルで開放している。

「RCEPは人口と経済規模世界最大の自由貿易区となる」と王次官。今年の第1四半期、中国とRCEP加盟国間の輸出入額は前年同期比6.9%増の2兆8600億元(約5兆6600億円)に達し、中国の対外貿易総額の30.4%を占めた。中国はさらに環太平洋連携協定(TPP)やデジタル経済パートナーシップ協定(DEPA)への加盟を推進し、日中韓FTAの促進、湾岸協力会議(GCC)、イスラエル、エクアドルなどとのFTA交渉を進めている。

 中国は今後さらにFTAネットワークを広げ、ゼロ関税貿易の割合を高め、サービス貿易と投資市場へのアクセスを緩和していく。同時にデジタル経済や環境保護を積極的に推進し、関係国の企業と国民に利益をもたらすことを目指す。王次官は「中国はさらなる開放を続けて、自由貿易の『友人の輪』を広げていく」と語っている。(c)People’s Daily/AFPBB News