【8月13日 AFP】台湾で2025年に予定されていた世界的なLGBTのイベント「ワールドプライド台湾2025(WorldPride Taiwan 2025)」の準備委員会は12日、開催中止を発表した。同イベントを主催する国際組織「インタープライド(InterPride)」が台湾という名称の使用を認めなかったためとしている。

 準備委は、インタープライドからイベント名を開催地にちなんで「ワールドプライド高雄(WorldPride Kaohsiung)」に変更するよう求められたため、中止を決定したと説明。開催中止は「台湾のLGBTIQ+(性的少数者)コミュニティーの利益を最優先に考えた上」での判断だとして、委員らの辞任を発表した。

 台湾政府は、アジア初開催となり、多様性と平等の促進につながったはずのイベントに政治が水を差したと非難。

 台湾外交部(外務省)は「インタープライドが政治的な思惑から一方的に相互の合意をはねつけ、協力および信頼関係を壊したことを誠に遺憾に思う」として、「(インタープライド側の)今回の判断は、台湾の権利とたゆまぬ努力を軽んじているだけではなく、アジアのさまざまなLGBTIQ+コミュニティーにも害を及ぼしている」とした。

 AFPはインタープライドにコメントを求めたが、回答は得られていない。(c)AFP