【8月12日 AFP】ドイツのゲアハルト・シュレーダー(Gerhard Schroeder)元首相(78)が、ウクライナに侵攻したロシアのエネルギー企業と近い関係にあったことを理由に、議会が事務所や職員人件費の支給などの特権を剥奪したのは違法だとして、議会を相手取り、ベルリンの行政裁判所に提訴した。代理人弁護士が12日、明らかにした。

 代理人は公共放送の北ドイツ放送(NDR)に対し、議会が5月に特権を剥奪したのは「法の支配に反する」と批判。議会の予算委員会は同月の決定に際して、「(シュレーダー氏は)事務所の継続的な義務を順守していない」と指摘していた。

 シュレーダー氏は5月下旬、ロシア国営石油会社ロスネフチ(Rosneft)の取締役を辞任すると発表したほか、国営天然ガス企業ガスプロム(Gazprom)の監査委員会のポストも辞退した。

 ただ同氏は、ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)と緊密な関係を維持しており、先月にはウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と会談した。シュレーダー氏は会談後、ロシアには戦争の「交渉による解決」の用意があると発言し、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は「不快極まる」と反発していた。(c)AFP