ソウル市、半地下住宅を禁止へ 豪雨で4人水死
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【8月12日 AFP】韓国の首都ソウルで今週、記録的な豪雨による浸水で半地下住宅の住民4人が死亡したことを受け、同市当局は地下室の居住を禁止する方針を示した。半地下住宅は、米アカデミー賞(Academy Awards)を受賞した韓国映画『パラサイト 半地下の家族(Parasite)』で注目を浴びていた。
当局の発表によると、豪雨では計11人が死亡。うち4人は、半地下住宅の浸水により水死した。現場を訪れたAFP記者によると、8日に障害者女性と10代の子どもを含む3人が死亡した同市冠岳(Gwanak)区の半地下住宅では11日、兵士と救助隊が泥まみれになった屋内から家財道具などを撤去していた。
半地下住宅は、家賃が安いものの、狭くて湿気がたまりやすく、浸水が起こりやすい。公式統計によると、約20万世帯が半地下住宅で暮らしており、同市の住宅戸数の約5%を占めている。
半地下住宅の住民の死を受け、国内では怒りの声が相次いだ。被害を受けた住宅を訪れた尹錫悦(ユン・ソンニョル、Yoon Suk-yeol)大統領は、自然災害の際に貧困層などの弱者支援を強化するよう当局に要請。
ソウル市当局は10日、半地下住宅の建設の許可を中止し、既存物件についても段階的な廃止を進める方針を表明。地下・半地下の住宅使用の禁止に向け、政府と協議を始めるとした。(c)AFP