【8月10日 CNS】中国では長い期間をかけて金品をだまし取る手口を、「殺豚盤(豚を太らせてから食べる)詐欺」と呼んでいる。結婚詐欺もその一つで、近年は独身高齢者もターゲットにされている。北京市西城区(Xicheng)の裁判所は最近、国の官僚を装った男が高齢女性から約29万元(約580万円)をだました「熟年恋愛詐欺」事件を明らかにした。

 西城区に住む女性の張さんは娘が結婚してから1人暮らしをしており、交流サイトで「長年、独身の官僚」と称する北京市の王容疑者と連絡を取った。張さんは王容疑者の「条件がいい」と思い通信アプリで交流を続け、会ったことはないまま結婚の話を始めた。

 王容疑者は張さんに「官僚の結婚には政治審査が必要」などと説明。「結婚後は張さんの娘に政府機関の仕事も世話できるが、まずは金が必要となる。私はいま自分の給料を一時的におろすことができないため、いくらか立て替えてほしい」と求めた。

 張さんは少し躊躇したが、「結婚後は100万元(約1999万円)の共有財産がある」と言う王容疑者にだまされ、銀行口座などに十数万元を送金。その後、「秘書」を名乗る男から「(王容疑者が)突然の病気で入院し、医療費が必要」と連絡を受け、再び十数万元(約199万円)を送った。しかし、王容疑者に会いたいと頼んでも「秘書」はさまざまな理由を挙げて拒否し続けたため、疑問を抱いた張さんが警察に相談した。

 警察は捜査の末、王容疑者を特定して摘発。実際には官僚ではなく、江蘇省(Jiangsu)に住む失業者だった。西城裁判所は詐欺罪で懲役6年6月と罰金7000元(約14万円)、約29万元の賠償を命じた。

 西城裁判所の汪琦(Wang Qi)副所長は、高齢者の年金を狙い、「投資と財務管理」「不動産購入」「保険代理」「骨董品コレクション」「熟年恋愛」などの詐欺が横行していると説明。中でも熟年恋愛詐欺は独身高齢者の孤独感につけこんでおり、身元確認をせずに相手を信用しないよう呼びかけている。(c)CNS-北京日報/JCM/AFPBB News