■愛国心

「ミスター・パーフェクト」の異名を持つカーンさんは、ボリウッド映画を伝統的な歌と踊りを超えた社会的・文化的な問題を扱う作品に押し上げようとしていることで知られる。

 レイプやドメスティックバイオレンス(DV)、汚職といった繊細な話題を議論するトーク番組「Satyamev Jayate(真実のみが勝つ)」の司会を務めたこともある。

 最新作をめぐる騒動を受けて今月初旬、カーンさんは愛国心があることを強調した。

 地元メディアに対し、「私がインドを好きではないように思っている人がいるようで悲しい」と語り、「事実ではない。私の映画をボイコットしないでほしい。作品を見てください」と訴えた。

 カーンさんは、シャー・ルク・カーン(Shah Rukh Khan)さんやサルマーン・カーン(Salman Khan)さんと並ぶ、イスラム教徒である大スターの一人。そのアーミル・カーンさんにかけられた圧力は、少数派に対する不寛容や排斥、中傷が高まっていることを反映していると、評論家は指摘する。

 匿名を条件にAFPの取材に応じたある評論家は「アーミルが、イスラム教徒に対する憎悪を拡散させている層から標的にされたのは間違いない」と述べた。(c)AFP/Aishwarya Kumar and Sumit Dubey