【8月6日 AFP】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は5日、ウクライナがロシア軍に応戦するために住宅地に基地を設置し、市民を危険にさらしているとした報告書について、内容を固持すると表明した。報告書はウクライナ政府の猛反発を招いていた。

 アムネスティは4日、4か月にわたる調査の結果をまとめた報告書を発表し、ウクライナ軍が19の自治体で学校や病院に基地を設け、人口密集地から攻撃を仕掛けていたと結論。こうした戦術は市民を危険にさらし、国際人道法に違反すると指摘しつつも、民間人に甚大な被害をもたらしている「ロシアの無差別攻撃を決して正当化するものではない」とした。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は報告書に反発し、アムネスティが「テロ国家に恩赦を与え、責任を侵略者から被害者に転嫁」しようとしていると糾弾。加害者と被害者を「ある意味で対等」に扱う報告書は容認できないと非難した。

 アムネスティのアニェス・カラマール(Agnes Callamard)事務総長はAFPへの電子メールで、「われわれの調査結果を全面的に支持する」と言明。報告書は、「厳格な基準と精査手順にのっとった徹底的な調査で収集した証拠に基づいている」と説明した。(c)AFP