【8月6日 Xinhua News】中国北京大学科維理(カブリ)天文・天体物理学研究所の研究チームが、国内外の光学望遠鏡5台を使い、機械学習によって、銀河面の背後にあるクエーサー204個を発見、同定した。うち191個は初めて見つかったものだった。研究成果はこのほど、天文学・天体物理学分野の学術誌「The Astrophysical Journal Supplement Series」に掲載された。

 銀河面は、銀河系の恒星のほとんどが存在する円盤状の平面で、研究チームを率いる呉学兵(Wu Xuebing)教授によると、クエーサーのサンプルが大きければ、より適切な天体観測の基準ができ、銀河面の天体観測の精度も向上するため、銀河系の構造と運動特性への理解も深まる。

 今回の研究成果について呉氏は「銀河面の背後にあるクエーサー候補の選択方法の有効性を検証し、クエーサーの系統的な探索を銀河面方向の星が密集する領域にまで広げるもので、今後の大規模クエーサーサンプルのサーベイ観測に強固な基盤を築いた」と語った。

 研究チームは、今後2年間で銀緯5度以内にある銀河面背後のクエーサーを約200個同定するほか、中国が独自開発した「郭守敬(かく・しゅけい)望遠鏡」(LAMOST)による分光観測を通じて、銀緯20度以内にある銀河面背後のクエーサーを千個以上同定する見通しを示している。このほか、銀河面の背後にあるクエーサー候補の天体観測の応用研究も進めていく。(c)Xinhua News/AFPBB News