【8月2日 東方新報】中国南部に位置する海南省(Hainan)の海南島は、海にほぼ1年中入れる温暖な気候と充実したビーチリゾートから「中国のハワイ」と言われる。その海南島は近年、「免税アイランド」として発展しており、コロナ禍を押しのけて世界有数の免税市場となっている。

 海南島では7月26~30日、高級海外ブランドの商品を展示し、消費の活性化を図る「第2回中国国際消費品博覧会」が開かれた。10万平方メートルの展示エリアに約60か国・地域の企業から出展があり、初開催の昨年に引き続きアジア・太平洋地域最大の消費品展示会となった。世界初、アジア初、中国初となる商品の公開が相次いだ。

 第2回博覧会の主賓国(第1回はスイス)となったフランスからは、世界最大の化粧品会社ロレアル(L'Oreal)や高級チョコレートメーカーのヴァローナ(Valrhona)をはじめ、ファッション、ワイン、グルメ食品などの約50社が参加。フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は「わが国から200以上のブランドが出品されており、フランスと中国の貿易の活力を反映している」とビデオメッセージを寄せた。

 日本企業の出展面積も前回より広い3100平方メートルに及び、日本国家館(ジャパン・パビリオン)には日本貿易振興機構(JETRO)が取りまとめた約40社が参加。資生堂(Shiseido)やパナソニック(Panasonic)、コーセー(KOSE)など約30社が独自にブースを出して商品をアピールした。

 中国政府は2020年、離島振興策として海南島の「自由貿易港」計画を実施。貿易・投資で優遇策を設け、外国企業の誘致を進めている。さらに海南島を訪れる中国人観光客が外国人のように1人10万元(約193万円)まで免税で買い物できる制度を導入。2021年の免税店の売り上げは600億元(約1兆1563億円)を超えた。

 世界の免税市場では韓国が長年、「免税大国」として君臨。2019年の市場規模は24兆ウォン(約2兆4048億円)で世界1位だったが、2020年は新型コロナの影響で15兆ウォン(約1兆5030億円)に激減した。最大の「顧客」だった中国人観光客の減少が影響したが、その観光客たちを同じ中国国内の海南島がひきつけた形だ。

 第2回中国国際消費品博覧会には、中国の中小企業も数多く参加。海外の免税市場に今後進出する「予行演習」を兼ねていた。海南島の免税市場規模は2025年で1600億元(約3兆835億円)と見込んでおり、海南島だけで韓国を抜き、「世界一の免税アイランド」となることを目指している。(c)東方新報/AFPBB News