【8月2日 AFP】日本人女性で初めてサッカーのプロ審判員になった山下良美(Yoshimi Yamashita)氏が1日、小中学生向けのイベントに出席した。W杯カタール大会(2022 World Cup)の審判に選ばれている山下氏は、「W杯の雰囲気を味わうのが楽しみでしょうがない」と語った。

 36歳の山下氏は今年のカタール大会で、フランスのステファニー・フラパール(Stephanie Frappart)氏やルワンダのサリマ・ムカンサンガ(Salima Mukansanga)氏と共に、女性として初めて男子のW杯で試合を裁くことになる。

 日本サッカー協会(JFA)とプロフェッショナルレフェリー契約を結んでいる山下氏はこの日、プロ審判員としての初めての仕事に臨んだ。

 女性として初めて男子のAFCチャンピオンズリーグ(AFC Champions League)の試合で笛を吹いた山下氏は、「女性ということで目を向けてもらってもいいと思います」とコメントした。

 その上で山下氏は、女性審判が男子の試合で笛を吹くのが当たり前になってほしいものの、現時点では話題にしてもらえてうれしいと述べた。

 11月から12月に行われるカタール大会を担当する36人の主審の中には、山下氏やフラパール氏、ムカンサンガ氏が名を連ねたほか、副審は計69人が選出され、うち3人が女性審判だった。

「あのW杯の雰囲気を味わうのが楽しみでしょうがない」と語った山下氏は、判断スピードを改善しようとしている。

「判断スピードは最近特に意識している。めまぐるしく変わる展開でも、自分の判断スピードを上げていければ、しっかり一つ一つ判定できる」

 昨年、Jリーグの試合を担当した初の女性審判となった山下氏は、日本サッカーミュージアム(Japan Football Museum)で子どもたちに審判の仕事を説明したり、質問に答えたりした。

 カードを出す際は手が震えるほど緊張したという山下氏だが、「子どもたちが目を輝かせて話を聞いてくれたのがとてもうれしかった」と話した。(c)AFP