中国で納棺師の映画が286億円の大ヒット 「日本勢」作品も躍進
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【7月29日 東方新報】夏の映画シーズンを迎えている中国で、納棺師を主人公にした中国版『おくりびと』とも言える映画『人生大事(英題:Lighting Up The Stars)』が大ヒットを続けている。6月24日の公開から7月17日までの興行成績は14億1435万元(約286億円)に上り、中国でも人気シリーズの『ジュラシックワールド/新たなる支配者(英題:Jurassic World: Dominion)』の10億896万元(約204億円)を抜いて予想外のトップを独走している。
『人生大事』は、テレビ界出身の劉江江(Liu Jiangjiang)監督による初の長編映画。主役は時代劇から現代劇まで多くのドラマ、映画に出演する人気俳優の朱一龍(Zhu Yilong)さんで、相手の子役を楊恩又(Yang Enyou)さんが務める。刑務所帰りの運の悪い男・莫三妹(朱一龍)は納棺師として、人生最後の大事(重要なイベント)である葬儀に携わる。そして、祖母が亡くなり孤児となった武小文(楊恩又)と出会うことで、新たな人生が始まる。涙あり笑いありの展開が多くの観客をひきつけている。
4月の清明節(先祖をまつる伝統行事)シーズンの上映予定がコロナ禍のため延期された作品で、夏休みに合わせて公開する他の大作と比べ、注目度は決して高くなかった。莫三妹の相棒・王建仁役を務めた俳優の王戈(Wang Ge)さんはインタビューで「葬儀をテーマにした映画はこれまでほとんど見たことがなかった」と話し、硬直した遺体の関節にホットタオルを当てて筋肉を温めるなど、実際の納棺師の仕事を学んだことを説明。「観客は、納棺師は普通の人でありながら『聖人の心』を持っていると感じているでしょう」と語っている。
このほか、日本の女性漫画家・葉月抹茶(Matcha Hazuki)さんの『一週間フレンズ。』を実写化した作品で、友達との記憶が7日間で消えてしまう記憶障害の高校生が主人公の『一周的朋友(英題:One Week Friends)』も6月公開で初登場2位にランク入りし、7月17日までの興行成績は1億2108万元(約24億円4578万円)を誇る。中国でも根強い人気のドラえもんシリーズ『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021(英題:Doraemon: Nobita's Little Star Wars 2021)』もトップ10をキープし、9828万元(約19億8523万円)となっている。(c)東方新報/AFPBB News