【7月29日 AFP】ロシア国営テレビ局の番組に乱入してウクライナ侵攻に抗議し有名となった女性ジャーナリストのマリーナ・オフシャンニコワ(Marina Ovsyannikova)氏(44)に対し、モスクワのメシチャンスキー(Meshchansky)地区裁判所は28日、ロシア軍の信用を失墜させたとして、5万ルーブル(約11万円)の罰金支払いを命じた。裁判を傍聴したAFP記者が伝えた。

 2児の母であるオフシャンニコワ氏は今年3月、勤務先の国営テレビ局「第1チャンネル(Channel One)」の夜のニュース番組の生放送に割り込み、「戦争反対」と書いた紙を持って抗議。身柄を拘束され、罰金を科された後、釈放されていた。

 弁護人によれば、今回の罰金は、オフシャンニコワ氏が今月、野党指導者イリヤ・ヤシン(Ilya Yashin)氏を支持するためにモスクワのバスマンヌイ(Basmanny)地区裁判所を訪れ、ウクライナ侵攻への反対を表明したことに対するもの。ヤシン氏は今月中旬、ウクライナ侵攻への抗議をめぐり、2か月間の公判前勾留下に置かれていた。

 オフシャンニコワ氏は今月中旬、大統領府(クレムリン、Kremlin)付近で単独の抗議活動を行い、ウクライナ侵攻とウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領を批判するプラカードを掲げ、その数日後に警察により数時間拘束されていた。弁護人によると、現在ロシア国内に滞在しており、現時点では出国の予定はないという。(c)AFP