サル痘拡大 WHOが性交渉相手の制限呼び掛け
このニュースをシェア
【7月28日 AFP】世界で感染が拡大しているサル痘について、世界保健機関(WHO)は27日、男性同士で性交渉する人々に感染が集中していることを受け、こうした人々に性的パートナーの数を制限するよう呼び掛けた。
テドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は記者会見で、感染防止で最も効果的な方法はリスクの低減だと指摘。「これには、男性間性交渉者が当面の間、性的パートナーの数を減らし、新たなパートナーとの性交渉を考え直し、必要に応じて連絡を取れるように連絡先を交換することが含まれる」と説明した。
サル痘の従来の流行地域はアフリカ中部・西部だが、5月上旬から他の地域でも感染が急増。テドロス氏は23日、最高度の警告である「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。
テドロス氏によると、27日時点で78か国1万8000人以上の感染者がWHOに報告されており、70%は欧州、25%は南北米大陸で報告された。5月以降、5人の死亡が報告されており、感染者の約1割は痛みを理由に入院している。
サル痘は主に密接な身体的接触で感染するとされる。感染者の98%は男性同士で性交渉する人だが、今のところ性感染症には分類されていない。
WHOは、サル痘に対する偏見によって、感染者が治療を受けることを避ける可能性があると警告している。テドロス氏は、偏見と差別は「ウイルスと同じく危険」であり、流行を加速させる可能性があると指摘した。(c)AFP