【7月27日 AFP】イスラエル考古学庁(IAA)は26日、同国沖で見つかった約1900年前のローマ時代の硬貨を公開した。月の女神ルナ(Luna)が描かれた希少硬貨で、保存状態は非常に良いという。

 硬貨は、同庁の考古学者チームが同国北部ハイファ(Haifa)沖で発見。現在のエジプト・アレクサンドリア(Alexandria)で鋳造されたもので、女神ルナの下には星座のかに座が、裏には当時のローマ皇帝アントニヌス・ピウス(Antoninus Pius)が描かれている。

 硬貨には「8年」と刻まれており、これは138~161年のアントニヌス・ピウス統治時代の8年目を意味する。当時のローマ帝国は、比較的平和な日々が続いたパクス・ロマーナ(Pax Romana)時代にあった。

 同庁によると、硬貨は13枚組で鋳造されたセットのうちの一つ。12星座を描いた12枚と、全星座を輪に並べた1枚からなる同セットの硬貨はこれまで他国では発見されていたが、イスラエル沖で見つかったのは初めて。

 同庁の海洋考古学部門を率いるヤコブ・シャービット(Jacob Sharvit)氏がAFPに語ったところによると、他の硬貨と共に見つかった。現場の状況からは、近くで船が難破したことが示されているという。(c)AFP