【7月25日 AFP】欧州連合(EU)欧州委員会(European Commission)は、天然痘ワクチンをサル痘予防用として使用することを承認した。ワクチンを製造するデンマークの製薬会社が25日、発表した。サル痘をめぐっては、世界保健機関(WHO)が緊急事態を宣言している。

 ババリアン・ノルディック(Bavarian Nordic)は、EUの欧州医薬品庁(EMA)の勧告に基づき「欧州委員会が、当社の天然痘ワクチン『インバネクス(Imvanex)』の販売承認対象を拡大し、サル痘の予防効果を追加した」と明らかにした。

 今回の承認により「EU全加盟国およびアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー」で販売が可能になるとしている。

 WHOは23日、72か国で1万6000人近い感染者が出ている今回のサル痘の流行について、最高度の警告である「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。

 インバネクスは、天然痘ワクチンとしてEU内で2013年に承認された。天然痘とサル痘のウイルスには類似性があることから、サル痘ワクチンとしても使用できると期待されていた。

 サル痘は天然痘よりも致死率が低く、感染力も弱い。天然痘は1980年に根絶が宣言されている。(c)AFP