【7月23日 AFP】ポーランドで22日、第2次世界大戦(World War II)中にナチス・ドイツ(Nazi)が首都ワルシャワに設置したユダヤ人隔離居住区「ワルシャワ・ゲットー」から中部トレブリンカ(Treblinka)強制収容所へのユダヤ人の移送を開始した日から80年の節目を迎えた。市内では犠牲者を追悼する行進が行われ、大勢が犠牲者の名前が書かれたリボンを手に参加した。

 ロシアのウクライナ侵攻で数百万人が家を追われていることから、今年の行進は、強制退去、強制送還の被害者にささげられた。

 ポーランドの主席ラビ(ユダヤ教の宗教指導者)、マイケル・シュドリッチ(Michael Schudrich)氏は式典で、ゲットーは被収容者を「悪」、外にいる人を「善」とする「分断」を象徴していたと述べた。ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に言及し、「(プーチン氏が)再び人々を分断しようとしている。善悪の分断について聞くたびに、危機感が募る」と続けた。

 ナチスは1940年、第2次大戦期では最大のものとなるワルシャワ・ゲットーを設置。ユダヤ人約50万人が狭い区画に詰め込まれ、病気や飢えがまん延していた。

 1942年7月22日にナチスがゲットーの解体を発表してから3か月で、ユダヤ人26万人がホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)の一環としてトレブリンカ強制収容所に移送され、殺害された。(c)AFP