【7月14日 AFP】ナチス・ドイツ(Nazi)占領下と共産主義時代の犯罪を調査しているポーランドの国家記銘院(Institute of National Remembrance)は13日、首都ワルシャワ北方のジャウドボ(Dzialdowo)にあったナチスの強制収容所近くで、8000人分の遺灰が埋められているのを発見したと発表した。

 この収容所にはユダヤ人やナチスの政敵、ポーランド政界のエリートらが収容された。推定3万人が殺害されたとされるが、実際の犠牲者数は立証できていない。

 調査員のトマシュ・ヤンコフスキ(Tomasz Jankowski)氏によると、集団埋葬地で見つかった遺灰は、全部で重さ1万5800キロ。遺灰は2キロでほぼ1人分に相当することから、少なくとも8000人がこの地で殺害された証拠になり得るという。

 ヤンコフスキ氏は犠牲者について、「恐らく1939年ごろに暗殺され、多くはポーランドのエリート層だった」との見方を示した。ナチスは1944年、戦争犯罪の証拠を一掃するため、収容されていたユダヤ人たちに遺体を掘り起こして焼却するよう命じていた。

 ポメラニアン医科大学(Pomeranian Medical University)の遺伝学研究者アンジェイ・オソウスキ(Andrzej Ossowski)氏はAFPに対し、遺灰をDNA鑑定にかけて犠牲者の身元を調べると説明した。(c)AFP