【7月23日 AFP】世界保健機関(WHO)欧州地域事務局のハンス・クルーゲ(Hans Kluge)事務局長は22日、欧州で猛威を振るっている熱波で、スペインとポルトガルだけで1700人以上の死者が出ているとし、各国に気候変動対策への協力を呼び掛けた。

「熱波は人命を奪う。この数十年、長引く熱波による酷暑で数十万人が死亡している」とクルーゲ氏は指摘し、「今回の熱波では既に、スペインとポルトガルだけで1700人以上がいたずらに亡くなっている」と述べた。

 さらに、酷暑によって基礎疾患が悪化するケースが多いとし、特に乳幼児と子ども、高齢者が危険にさらされると警鐘を鳴らした。

 クルーゲ氏はAFPの取材に対し、死者1700人以上は各国の当局の報告に基づく推定値で、正確な死者数が分かるのは数週間後だと説明。「猛暑の夏は、まだ半分しか終わっていない」とし、死者は「今後数日間でさらに増加する」との見方を示した。

 また「今週の熱波により、欧州全域で一丸となって気候変動に効果的な行動を起こす必要があることが改めて浮き彫りにされた」と述べた。(c)AFP