【7月20日 AFP】国連(UN)の世界気象機関(WMO)は19日、現在西欧で猛威を振るっているような熱波の頻度が今後増えると警告した。増加傾向は少なくとも2060年代まで続くという。

 WMOは西欧での熱波を受け、スイス・ジュネーブで世界保健機関(WHO)と共同会見を行った。その中でWMOは、大気中にこれまでにない量の二酸化炭素(CO2)を排出する国々は、現在発生している熱波を警告と捉えるべきだと指摘した。

 WMOのペッテリ・ターラス(Petteri Taalas)事務局長は、温暖化対策が成功するかどうかとは関係なく、少なくとも2060年代までは熱波の発生頻度の増加傾向は続くとの見通しを示した。

「気候変動により記録が更新され始めている。将来、こうした種類の熱波は今よりも普通になり、熱波自体も強力になる」とし、「排出量は増え続けている。特に最大の排出源であるアジアの大国で排出量増加を抑えることができなければ、2060年代で熱波がピークになるかどうかも分からない」と指摘した。

 西欧を見舞った熱波は各地で山火事を起こし、英国では観測史上初めて最高気温が40度を超えた。(c)AFP