【7月20日 AFP】陸上男子100メートルのアフリカ記録保持者ファーディナンド・オムルワ(Ferdinand Omanyala Omurwa)の米国ビザ(査証)発給が、第18回世界陸上オレゴン大会(World Athletics Championships Oregon 22)の出場直前になった問題について、ケニア陸上連盟(Athletics Kenya)は19日、自分たちに非はないと話した。

 現役選手では世界3番目のタイムで、アフリカでは最速となる9秒77の自己ベストを持つオムルワは、米国ビザがぎりぎりまで手に入らず、米オレゴン州に到着したのは15日の100メートル予選が始まるわずか数時間前だった。予選は通過したオムルワだったが、準決勝では5着がやっとで、決勝進出を逃した。

 ケニア国民の多くはこのことに怒っているが、ケニア陸連は18日遅くに発表文を出し、その中でジャクソン・トゥウェイ(Jackson Tuwei)会長が、オレゴンへ向かう選手と関係者のビザ申請処理を外部の会社に委託していたと説明。多くの選手は8日に受け取ったが、オムルワは大使館から追加の情報提供を求められたため、パスポート(旅券)が戻らなかったと明かした。

 会長は「(スポーツ)省も陸連も介入できなかった。大使館から求められたプロセスは、本人が行わなければならないからだ」とコメントした。オムルワもようやくビザを手に入れた後、「誰のせいでもない」と寛大に話していた。

 しかし、元政府報道官のエゼキエル・ムチュア(Ezekiel Mutua)氏は、オムルワは外交的な扱いを受けるべきだったと主張し、ツイッター(Twitter)に「われらが100メートルの大選手、ファーディナンド・オムルワの米国ビザ発給の遅れをめぐる騒動は、外交上の事案とするべきだった。オムルワのような見事なスポーツ選手は、外交官のように扱い、それだけの敬意を払うべきだ。一般人のようにビザの問題などで立ち往生させてはならない」と書き込んだ。

 ケニアでは他にも、女子1万メートルに出場予定だったシェイラ・チェプクルイ(Sheila Chepkirui)が、同様のビザの問題で現地入りすらできなかった。(c)AFP/Aileen KIMUTAI