■星のゆりかご

 おそらく最も美しい画像は、イータカリーナ星雲(Carina Nebula)の星形成領域「宇宙の崖」を捉えたものだろう。

 この画像では、これまでは隠れて見えなかった星形成領域の存在が、ウェッブ望遠鏡によって初めて明らかになった。これにより、特定の質量を持つ恒星が形成される理由や、特定の領域で形成される恒星の数を決める要因に関する知識がさらに深まると考えられる。

 宇宙の崖は山が連なっているようにも見えるが、ウェッブ望遠鏡のプロジェクトサイエンティスト、クラウス・ポントピダン(Klaus Pontoppidan)氏によると、「最高峰」の上から下までは7光年分の距離がある。また黄色い部分は、巨大な炭化水素分子から成っていると説明した。

■大きな謎

 米航空宇宙局(NASA)の天体物理学者アンバー・ストラウン(Amber Straughn)氏は、何より最も心躍るのは、未知の世界への旅だろうと話す。

 ウェッブ望遠鏡に先駆けたハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)は、暗黒エネルギーが宇宙の膨張を加速させているという発見に重要な役割を果たした。「その100倍も強力な観測機器を使って何が学べるか、想像するのも難しい」とストラウン氏は語った。(c)AFP/Issam AHMED