【7月15日 AFP】米オハイオ州で10歳の女児がレイプされて妊娠し、中絶処置を受けるため隣のインディアナ州に行かざるを得なかった出来事をめぐり、同州の検察当局は13日、処置を行った医師を調査していると明らかにした。

 オハイオ州は先月、最高裁が女性の人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めた1973年の「ロー対ウェイド(Roe v. Wade)判決」を覆す判断を下したことを受け、妊娠6週以降の中絶を禁止する州法を施行した。レイプや近親相姦(そうかん)による妊娠でも例外は認められない。

 5月にレイプされた女児は妊娠6週を過ぎており、妊娠21週まで中絶が可能なインディアナ州で処置を受けた。

 しかし、共和党が優勢な同州の当局も現在、中絶の禁止を検討している。

 同州のトッド・ロキタ(Todd Rokita)司法長官は13日夜、州法で未成年者が関わる性犯罪について通報しなければならないにもかかわらず、女児の事件を通報しなかったとして、医師を非難した。

 ロキタ氏はFOXニュース(Fox News)に対し「現在情報を集めている」として、「医師が報告を怠っていたならば、免許(の取り消し)も視野に、最後まで闘うつもりだ」と述べた。

 中絶反対派は、賛成派がその理念を広めるために女児を利用していると非難している。また、女児をレイプした男が中米グアテマラ出身の不法移民だったことから、ジョー・バイデン(Joe Biden)政権の移民政策が招いた悲劇だと主張している。

 ロキタ氏は「これは国境地帯の無法化を望むマルクス主義者や社会主義者、ホワイトハウス(White House)の人間によって引き起こされた非常に恐ろしい出来事だ」と述べた。(c)AFP