【7月14日 AFP】パキスタンでは今年、高温と水不足によりマンゴーの生産量が落ち込んでいる。農家によると、収穫が40%減少した地域もある。

 パキスタンでは20種類以上のマンゴーが栽培されている。通常は5月初旬に気温が上昇しマンゴーが熟し、6~7月に収穫時期を迎える。だが、今年は3月に夏のような気温になり、マンゴーの花が傷んでしまった。その後熱波も到来。用水路の水位も大幅に低下した。

 マンゴー農家のファズレ・エラヒさんは「例年はトラック24台分のマンゴーを収穫できるが、今年はたった12台だ」と自身の農園に並ぶ袋を数えながら話した。「ひどいものだ」

 パキスタンは世界有数のマンゴー輸出国で、パンジャブ(Punjab)州やシンド(Sindh)州などで年間200万トン近くを生産している。

 シンド州政府の農業部門幹部ゴーラム・バローチ氏は、総生産量はまだ試算中だとした上で、既に大部分の地域で少なくとも生産量が20~40%落ちていると述べた。

「マンゴー都市」として知られる同州ミルプルハース(Mirpur Khas)郊外一帯でマンゴー農園を所有するウマル・ブギオさんは、今年は例年の半分以下の量しか水を確保できなかったと指摘する。

「マンゴー農家は今年、二つの問題に直面した。例年よりも早く気温が上昇したことと、水不足だ」

 パキスタンは水不足に直面する国の一つで、貧弱なインフラと不適切な資源管理により問題はさらに深刻化している。

 国際環境NGO「ジャーマンウオッチ(Germanwatch)」のグローバル気候リスク指数で、パキスタンは気候変動による異常気象の影響を受けやすい国で8位に入っている。

 エラヒさんは「普通は重さ750グラム以上になるが、今年のものはとても小さい」と述べた。(c)AFP/Ashraf KHAN