【7月14日 AFP】テニスのウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)で3度の優勝を誇るジョン・マッケンロー(John McEnroe)氏は12日、今年の同大会で準優勝したニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)が自身にひそむ「悪魔」を追い払うには、「(精神分析学者の)ジークムント・フロイト(Sigmund Freud)が必要」だと持論を述べた。

 今大会のキリオスは、スリリングなテニスを披露した一方で、決勝までの過程では物議を醸すこともあった。感情を爆発させて罰金を科され、3回戦で対戦したステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)には「邪悪」な「いじめっ子」だと表現された。

 だが、大会を通じて印象的で独創的なショットも見せ、特に決勝ではノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)に4セットで敗れたものの、エース30本、ウイナー62本を記録した。

 マッケンロー氏は英BBCで「彼は天才だ。プレー面では」と評した上で、「彼にはジークムント・フロイトが必要だ。墓から出てきて、何とかこの男にもう数年続けさせる方法を見つけてもらわなければならない。そうすればわれわれは彼を生かすことができる」とコメント。「信じられない。彼はテニス界に際立った変化をもたらしている。われわれが求めているのは、こうした成功であって、中途半端に取り組んでもらうことではない」と話した。

 自身も現役時代は頻繁に騒動を起こし、自らを奮い立たせるためコート上で大げさなジェスチャーをしてしまうこともあったマッケンロー氏。

「彼はナイスガイ。選手たちは彼のことが好きだ。ロッカールームでは好かれている。チャリティーもたくさんしている」とキリオスを擁護しつつ、「でもご存じの通り彼には悪魔がいる。失敗への恐れは誰にでもあるが、問題はそれにどう対処するかだ」と続けた。(c)AFP