【7月16日 CGTN Japanese】3000冊の本、24時間オープン。中国中部・河南省信陽市の高家寨村で、村の教師である高宏遠さんが廃屋になっていた日干し煉瓦造りの家を3年近くかけて、村の子どもたちのための図書室に改造しました。村の図書室を作るのが夢だったという高宏遠さんは「子どもたちの心に、読書好きの種をまいていきたい」と話します。

 高宏遠さんは町の中学校の教師で、幼い頃から村で育った彼は早くから村に図書室を作りたいと考えていました。「本を通して子どもたちにもっと多くの世界を知ってもらうために、できる限りのことをしてあげたい」。

 高宏遠さんは2020年、姉が高家寨村に持っていた3軒の廃屋を買い取り、祝日や休みを利用して徐々に図書室に改造していきました。子どもたちのためにより良い読書環境を整えようと、図書室の70平方メートルの敷地を修繕し、敷地の前の荒れ果てた斜面を庭にしました。庭には春夏秋冬を問わず鳥のさえずりと花の香りが満ち、異なった趣を見せています。子どもたちには、本の知識を学ぶとともに、生活の中の美しさも感じてほしいと願っています。

 子供たちは休日になるとここにやって来て本を読みます。また、自発的に順繰りで「図書館長」を選び、読書の合間に本を整理したり、図書室の掃除をしたり、定期的にイベントを開いたりもしています。

 図書室の本の大部分は一部の教師や見知らぬ人から寄贈されたものです。この図書室を建てるために使った約10万元(約204万円)は、高宏遠さんにとってかなりの出費でした。将来的には、志を同じくするより多くの人がこの事業に参加し、子どもたちのために講座を開き、共に読書をしながら子どもたちの見識を広げて欲しいと考えています。「私もこの図書室がたいまつのように、ずっと受け継がれていくよう願っています」。(c)CGTN Japanese/AFPBB News