【7月13日 東方新報】世界最大の産業用ロボット市場の中国。2020年の稼働台数は94万台で、2位以下の日本(37万台)、韓国(34万台)、米国(31万台)を大きく引き離している。年間新規設置台数で見ると、2020年は日本や韓国、欧州など外国企業のロボットが計12万3000台、中国企業は4万5300台。中国におけるシェアは長らく「外国企業7割、中国企業3割」の構図が続いているが、最近は中国メーカーが勢いを付けている。

 人とロボットで作業を分担したり、人の作業をロボットが補助したりする「協働ロボット」の分野では、2021年に中国企業のシェアが90%を超え、売り上げは1万5300台で15億元(約306億円)を超えた。協働ロボットメーカー「節卡機器人(JAKA)」の常莉(Chang Li)副総裁は「協働ロボットの分野では国内メーカーが競争力をつけ、海外企業に取って代わっている」と胸を張る。

 今や産業ロボットは欠かせない自動車工場では、プレス、溶接、塗装、組み立てという流れで作業している。このうちプレス、溶接、塗装は繰り返し単純作業をする産業ロボットが担い、中国ではファナック(Fanuc)やABB、安川電機(Yaskawa Electric)、クーカ(Kuka)などの外国企業のシェアが高い。その一方で組み立てに使う協働ロボットでは中国メーカーが躍進。2014年に創業した「節卡機器人」はその先駆的企業だ。トヨタ自動車(Toyota Motor)など中国に進出した海外自動車会社も、「節卡機器人」の協働ロボットを導入している。

 また、国産ロボットと言っても、減速機、サーボモータ、コントローラーといった中核部品は日本企業から調達し、ロボットを組み立てている中国企業が多かったが、それも変わってきている。「節卡機器人」は中国の減速機メーカー「緑的諧波(Leaderdrive)」の減速機を使用しており、常莉副総裁は「中国の協働ロボットの歴史はわずか10年ですが、外国企業と比べて欠点はありません」と強調する。コントローラーの分野では、2012年にわずか5人の社員からスタートした卡諾普(Crobotp)が2019年時点で国内シェアの半分を占めた。

 国際ロボット連盟によると、2019年で中国の労働者1万人当たりのロボット導入台数は187台だった。米国の228台に接近しているが、日本の364台、韓国の855台とは差があり、今後もロボットの導入が広がる余地が大きい。

 産業ロボット全般で見れば、中国企業には基礎技術力や高水準製品の生産でまだまだ弱みがある。中国の工業情報化省は昨年末、「第14次ロボット産業発展5か年計画」を発表。ロボット用基幹部品技術を育成し、国内ロボット産業を2021年から2025年までの間に年平均20%伸ばす計画だ。

 中国では急激に少子高齢化が進み、今年中にも人口減少が始まる可能性がある。中国国家統計局によると、生産年齢人口(16~59歳)の割合は2011年の69.8%から2020年には64%以下に減少した。また、2020年の高等教育(大学、短大など)進学率は54.4%に達しており、工場や鉱山、港湾などの現場労働を敬遠する若者が増えている。現在はコロナ禍による厳しい外出制限措置により、各地の生産活動がたびたび停滞している。こうした諸課題を克服する切り札として、産業ロボットの導入が今後も増えるは確実だ。(c)東方新報/AFPBB News