ミナミナガスクジラ大群の捕食を確認 南極海で、捕鯨禁止後初
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【7月10日 AFP】捕鯨が禁止されて以降、初めて南極海でミナミナガスクジラの大群が餌を食べる様子が撮影されたことが7日、明らかになった。研究者は、明るい兆しだと歓迎している。
ミナミナガスクジラは、シロナガスクジラに次いで世界で2番目に大きいクジラ。商業捕鯨により20世紀に個体数が一気に減少し、絶滅寸前まで追い込まれた。
科学誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」に掲載された報告の筆頭執筆者で、独ハンブルク大学(University of Hamburg)のヘレナ・ヘア(Helena Herr)氏によると、ミナミナガスクジラの個体数は当初の1~2%まで減少したという。
研究者によれば、1976年に南極海におけるナガスクジラの捕獲が禁止されて以降、個体数は徐々に回復しているものの、かつて餌場となっていた海域で群れが目撃されたことはほとんどなかった。
今回、研究チームは英BBCの野生動物映像制作班と共同で、ミナミナガスクジラ150頭が南極海で捕食する様子をドローン撮影することに成功した。ヘア氏が 「自然界で最も素晴らしい出来事の一つ」と表現した映像からは、クジラが水中を勢いよく進み、水面に浮上するたびに潮を吹き上げる姿や、上空を鳥が旋回する様子が確認できる。
「クジラが絶え間なく泳ぎ回って水しぶきを上げるため、周囲の水が沸騰しているように見えた」と、ヘア氏はAFPに語った。「ただ見ているだけでスリル満点だった」
研究チームは、ミナミナガスクジラがオキアミを食べるこの様子を非公式に「ナガスクジラ・パーティー」と呼んでいたという。
2018年と19年の2回の調査で、ミナミナガスクジラ数頭の群れが100グループと、最大150頭の大きな群れ8グループが確認された。それまで、餌を食べているところを観測された最大の群れは十数頭だった。
今回の調査データから、研究チームは南極海には約8000頭のミナミナガスクジラが生息していると推定している。(c)AFP/Kelly MACNAMARA