【7月10日 AFP】ラグビー日本代表の選手が9日、安倍晋三(Shinzo Abe)元首相が銃撃されて死去したことについて「悲しく」「ショックだった」と明かしながらも、フランス代表とのテストマッチに「フォーカスしていた」と話した。

 歴代で最も長く首相を務めた安倍氏が、選挙戦の最中に銃撃された事件の翌日、国立競技場(Japan National Stadium)で行われた試合は感傷的なムードに包まれた。5万7000人以上の観客は、熱心なラグビーファンで、W杯日本大会(Rugby World Cup 2019)開催時には会場にも足を運んでいた安倍氏に1分間の黙とうをささげた。試合は15-20で日本が敗れた。

 3年前のW杯で8強入りの快進撃を見せた日本代表で、主将を務めていたリーチマイケル(Michael Leitch)は、安倍氏は「素晴らしい人」で「ラグビーをサポートしていた」とコメント。「彼があのような恐ろしい形で殺されたのは、チームにとってショックだった」と認めた。

「みんなが事件の話をしていて、ご家族のことを思うととても悲しい」

「きょうは彼のためにも勝ちたかったが、あと少しでそれができなかった」

 現主将の坂手淳史(Atsushi Sakate)は、安倍氏にはW杯の際にロッカールームへやって来た思い出や、首相官邸に招かれた思い出があるとコメント。

 その一方で、試合に向けてチームを準備させるのが自身の責任だったとし、「テストマッチは止まらない」と話すと、「ラグビーにフォーカスして、やるべきことにフォーカスした」と続けた。(c)AFP