【7月5日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2022)は4日、男子シングルス4回戦が行われ、ニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)は4-6、6-4、7-6(7-2)、3-6、6-2でブランドン・ナカシマ(Brandon Nakashima、米国)を下し、大会8年ぶりの準々決勝進出を果たした。

 気分屋で知られる27歳のキリオスは、荒れ気味だったステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)との3回戦とは打って変わって、この日は行儀よくプレー。試合後には「こうして俺が再びウィンブルドンの準々決勝にたどり着き、動揺しているやつらが大勢いることは分かっている」と話し、批評家が間違っていると証明できたと大いに喜んだ。

 キリオスは世界144位のワイルドカード(主催者推薦)として出場した2014年大会でラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)を撃破して以降、浮き沈みの激しいキャリアを経験。「午前4時にパブで代理人から強制的に連れ出された後、ウィンブルドンのセンターコートでナダルと戦った」という暗い時代を思い起こし、「長い道のりだった。それは確かだ」と語った。

 今大会のキリオスは、観客を熱狂させたり困惑させたりする振る舞いで合計1万4000ドル(約190万円)の罰金を科されている一方で、計100本以上のサービスエースと257本のウイナーを記録する圧巻のショットメークを披露。ここまでブレークを許したのは5ゲームのみで、フルセットの戦いを2度制してベスト8入りを果たした。

 右肩の負傷を乗り越えて勝利を収めたキリオスは、「不本意なプレーが続いていたキャリアで多分初めて、満員のウィンブルドンのセンターコートで『すごい、ここまでやって来られたぞ』と自分に言うことができた」とコメントした。

 世界40位のキリオスは次戦、チリのクリスティアン・ガリン(Cristian Garin)と準決勝進出を懸けて戦う。(c)AFP/Dave JAMES