【6月30日 CNS】中国の若者に人気のオンラインゲーム「英雄連盟(League of Legends)」のプロチームBLGは6月1日、元アジア大会チャンピオンの簡自豪(Jian Zihao)選手との契約を解消したとSNSで発表した。今年25歳の簡選手は成績が低迷していた。専門家は「簡選手の状況は珍しい例ではない。eスポーツ界の選手寿命は皆が思うよりもはるかに短い」と指摘している。

 1997年生まれの簡選手は、2012年に15歳で「英雄連盟」のプロリーグに参加。eスポーツが公開競技で採用された2018年ジャカルタ・アジア競技大会で金メダルを獲得するなど、数々の大会で活躍した。2020年に23歳でいったん引退を表明。2021年末にカムバックし、BLGに所属した。今年2月17日に895日ぶりにプロの舞台に戻ったが、彼が参加したチームは4勝5敗と低迷。今シーズンのBLGの15大会で、簡選手が最後まで出場できたのは2回にとどまった。

 BLGは3月に簡選手の休養を発表。その後は大会に出場することなく、契約解除となった。ネットユーザーたちは「彼が大会に出たくとも、受け入れるチームがない」「年齢には勝てない」とコメントしている。

 2018年のジャカルタ・アジア大会で、大ヒットゲーム「王者栄輝」の中国チームに参加した6人は全員、既に第一線から退いている。「英雄連盟」の中国チーム6人のうち2人は23歳で引退を発表し、今も活躍しているのは2人だけとなっている。

 全国eスポーツ協会連盟の陳彦林(Chen Yanlin)副会長は「プロのeスポーツ選手のピークは18~21歳だ」と指摘。「現在、未成年者は大会に参加することを禁じられているが、18歳で参加資格を持つ段階で比較的高いレベルに達している」と説明する。

 2019年に人的資源社会保障部が発表したデータによると、中国には約10万人のプロのeスポーツ選手がいる。ただ、トップレベルの大会に参加できる選手は数百人程度。選手たちはほとんど大学に通っておらず、引退後も生活が安定している人はさらに少ない。

 陳氏は「通常のスポーツ選手は30歳ぐらいまで活躍し、35歳や40歳まで現役を過ごすことも珍しくない。しかし、eスポーツ選手は22~23歳で引退せざるを得ない。eスポーツ界以外で彼らの実績を評価する業界はほとんどなく、選手たちが引退後に新たな居場所を見つけることは困難な状況だ」と実情を語る。(c)CNS-揚子晚報/JCM/AFPBB News