【6月29日 AFP】昨年1月の米連邦議会襲撃で、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領が当日、議事堂に向かっていた支持者に合流したいあまり、専用車の運転手を面罵し、ハンドルまでつかもうとしていたことが28日、明らかにされた。

 トランプ氏の首席補佐官を務めたマーク・メドウズ(Mark Meadows)氏の側近、キャシディ・ハチンソン(Cassidy Hutchinson)氏が、別の政府関係者から聞いた話として、議会襲撃を調査する下院特別委員会の公聴会で証言した。

 ハチンソン氏によると、トランプ氏は集会で演説後、議事堂で支持者に合流しようとしたが、専用車の運転手を務めていた大統領警護隊(シークレットサービス)隊員から、安全上の理由でそれはできないと伝えられた。怒ったトランプ氏はハンドルを奪おうとし、隊員ともみ合いになった。トランプ氏は「私は大統領だぞ。今すぐ議事堂に連れて行け」と言ったという。

 トランプ氏は公聴会のテレビ中継を見ていたとみられ、ハチンソン氏の証言は「フェイク」で、公聴会は「いかさまの裁判だ」と、自身のソーシャルメディアで即座に反応した。

 トランプ氏側は、議会襲撃は支持者が自発的に行ったものだとして関与を否定しているが、ハチンソン氏によると、トランプ氏とその側近は暴動に発展する可能性があると認識していたという。(c)AFP/Frankie TAGGART