五輪金のキューバ人ボクサー、国外脱出試み 「重大違反」と連盟
発信地:ハバナ/キューバ
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【6月29日 AFP】昨夏の東京五輪・ボクシング男子ライト級金メダリストで、世界選手権(AIBA World Boxing Championships)で3度の優勝を誇るキューバのアンディ・クルス(Andy Cruz)が、国外への脱出を試みていたことが、28日にキューバボクシング連盟(FCB)から発表された。連盟は「重大な規律違反」だと非難している。
FCBはスポーツ体育レクリエーション庁(INDER)のウェブサイトで、「アンディ・クルス選手が、国を不法に離れる試みに参加したとの情報を得た」と発表。しかし、詳細やクルスの現在の居場所については明かさなかった。
クルスは同世代のキューバのボクサーでは最も優れた選手と多くの専門家からみなされているが、今回の件で連盟から暫定的、もしくは恒久的な資格停止処分を科される可能性がある。クルスは前週行われた国内選手権と事前合宿にも姿を見せていなかった。
キューバはスポーツ選手のプロ転向を長年制限してきた歴史があり、個人の報酬ではなく国の栄誉のために戦うしかないスター選手が国外脱出を試みるのは珍しくない。
それでも、キューバはプロ化の容認へ向けて少しずつ歩みを進めており、ボクシングでも4月、当局がようやくプロ戦への参加を解禁し、メキシコとの対抗戦が実現した。キューバは5KOを含む6戦全勝を収めたが、クルスは出場していなかった。(c)AFP