【6月29日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)で3度の年間優勝を果たしたネルソン・ピケ(Nelson Piquet)氏(69)が、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)に対して人種差別的な表現を使ったことに対し、ハミルトンが28日、「今こそ行動を起こすときだ」と呼びかけた。

 1981年と83年、87年に総合優勝を飾っているピケ氏は、昨年の英国GP(British Grand Prix 2021)決勝の1周目でハミルトンとレッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)が接触したことについてポッドキャストで話していた際、人種差別的なコメントをした。

 ハミルトンはツイッター(Twitter)に「これは単なる言葉の問題じゃない。こういう古くさい考え方は変えなくてはならないし、僕らのスポーツに居場所はない。人生を通じて、こうした態度の人間に囲まれ、標的にされてきた。学ぶ時間は十分あったはず。今こそ行動を起こすときだ」と投稿した。

 別のツイートでは、ポルトガル語で「これまでの考え方を変えることに力を入れよう」と呼びかけた。

 この件については、F1も「差別的、人種的な発言や行為は、どんな形であれ容認できず、社会に受け入れられない」と発表。国際自動車連盟(FIA)も「人種的、差別的な言葉と行為を強く非難する。このスポーツ、そして広い社会に、そうしたものの居場所はない」とコメントを出した。

 F1ドライバーで唯一の黒人選手であるハミルトンは、以前からF1の多様化を目指して積極的に声を上げている。(c)AFP