【6月28日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)のイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は27日、ロシアのウクライナ侵攻を受けて防衛力を強化するため、即応部隊の規模を「30万人を超える」水準に拡大する方針を示した。

 NATOは今週、スペイン・マドリードで首脳会議を開催する。これについてストルテンベルグ氏は、ロシアによるウクライナ侵攻に対応するための「革新的」なものになると説明した。

 加盟国は同会議で、NATO東端に展開する戦闘部隊の一部を数千人規模の戦術部隊である「旅団級」に格上げし、即応部隊の規模を30万人超に増強する予定。

 NATOの即応部隊の規模は現在約4万人で、これを30万人超まで増やすことで、有事の際に配備可能な要員の増強につなげることが見込まれる。 

 このほか、防空システムを含む重火器をさらに前方に配置するとともに、NATOの東側境界に位置する加盟国を防衛するための部隊を事前に割り当てる計画についても議論するという。

 ストルテンベルグ氏によると、これは「冷戦(Cold War)以来、最大規模の集団防衛力と抑止力の見直し」となる。(c)AFP