【6月26日 AFP】今季限りでの引退を表明している陸上女子短距離のアリソン・フェリックス(Allyson Felix、米国)が25日、自身最後となる全米選手権(2022 USATF Outdoor Championships)のレースを終え、「少し寂しさはある」と認めながらも、引退が正しい決断であることに疑いは持っていないと話した。

 五輪で七つの金メダルを獲得しているフェリックスは「今季に関しては、競技を離れることに疑いはないというのが何よりはっきりしたと思っている」と話し、「もう何も残っていない。今季は初めて、自分の中に闘争心が感じられなかった。そこが自分らしさだったのに」と続けた。

「だから、闘争心がどうしようもなく薄れてきているのは分かっていたけれど、感謝しているし、後を任せられる素晴らしい選手たちがこれだけいるのも見ることができた」

 21年前から10代で全米選手権に出場しているフェリックスは、今回も健在ぶりを示し、400メートルでは6位に入った。これにより、7月15日から24日にかけて、米ユージーン(Eugene)で開催される第18回世界陸上オレゴン大会(World Athletics Championships Oregon 22)では、リレーメンバーの候補になる可能性が高い。

 本人も「混合リレーや何かでは、いい位置につけていると思う」と発言している。フェリックスは2019年のドーハ世界陸上で、初採用の混合リレーで金メダルを獲得。以前から、全米陸上競技連盟(USATF)に請われればどのリレー種目のメンバーでも引き受けるつもりだが、難しいシーズンを過ごす中での自身の調子を考えれば、混合リレーが最も「ふさわしい」のではないかと話している。

 フェリックスは、初出場の2004年アテネ大会から、最後にして5回目となった昨年の東京大会まで、陸上女子では最多となる11個の五輪メダルを獲得している。世界陸上と合わせたメダル数は29個に上る。(c)AFP/Rebecca BRYAN