【6月26日 AFP】女子テニスのセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)が25日、1年ぶりのシングルス復帰戦となるウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2022)を前に、離脱中は復帰の時期も、方法も分からなかったと認めつつ、引退は頭になかったと強調した。

 40歳となったセレーナは「自分は引退しなかった。とにかく心と体を癒やす必要があった。プランはなかったし、いつ復帰できるかは分からなかった。どう復帰するかも分からなかった」と明かした。

 27日開幕のウィンブルドンで、セレーナは昨年大会の1回戦で涙の負傷棄権を強いられて以来となるシングルス復帰を果たす。大会を7度制覇しているセレーナは、歴代最多タイに並ぶ四大大会(グランドスラム)24勝目を目指すが、長期離脱中に世界ランキングは1204位にまで下降。妊娠中に優勝した2017年の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2017)以来のグランドスラム制覇を目指す中で、出場にはワイルドカード(主催者推薦)が必要だった。

 ウィンブルドン最後の試合となったセンターコートでのアリアクサンドラ・サスノビッチ(Aliaksandra Sasnovich)戦は、わずか6ゲームで幕を閉じた。1998年からウィンブルドンに出場しているセレーナは、悔しい途中棄権をウィンブルドンでの最後の思い出にしたくなかったと話している。

「正直に言って、あれが大きなモチベーションになっていた。あの試合が終わってから、常に何かが心に引っかかっていたし、いつもあのことが頭にあった」

 セレーナが足を滑らせて転倒し、負傷したことを重くみるかのように、大会主催者はこれまでの伝統を覆し、センターコートでの練習を認めることにした。セレーナは「素晴らしいと思う反面、センターコートを守らなくてはいけないとも感じる」と話している。

 長期的な現役生活の展望や、今回が最後のウィンブルドンになる可能性については明言を避けた。9月に41歳になるセレーナは「言えるのは、自分は今ここにいるということだけ。次回どこに現れるかは誰にも分からない」とコメントした。(c)AFP/Dave JAMES