【6月25日 AFP】22日に行われた第19回世界水泳選手権(19th FINA World Championships)、アーティスティックスイミングのソロ・フリールーティン(FR)決勝で、演技後に気を失ってプールの底に沈み、コーチに救出された米国のアニタ・アルバレス(Anita Alvarez)は、その場面を捉えたAFPの写真を初めて見た際「ショックを受けた」ものの、「美しい」と思ったとコメントした。

 アルバレスは演技終了後に失神してプールの底へと沈み、アンドレア・フエンテス(Andrea Fuentes)コーチの素早い判断で救助された。AFPの水中カメラは、一連の出来事を明瞭な画像で捉えていた。

 水中で意識を失っていたアルバレスは、スペインのメディアに対し、AFPの画像を見て「最初はショックを受けた。このようなものが公開されるとは思っていなかった」と吐露した一方、「でもその後、冷静に受け止めた。ネガティブな見方はしたくなかった」と語った。

「今はある意味、美しい写真だと思っている。私は穏やかに、静かに水の底にいた。そこにアンドレアが下りてきて、私に近づこうと両腕をいっぱいに伸ばしている姿は、まるでスーパーヒーローのようだった」

 アルバレスは、この写真を見てアーティスティックスイミングへの愛情がさらに深まったと話している。「世界で最も平和な場所は水中だと思うことがある。プールの底に黙って座っている時。体重がないように感じ、自分と向き合っている。私はそれが大好き。そんなひとときが必要なこともある。それにこの写真の中では、すべてがとても自然に見える」

 チームのスポークスマンは、24日に行われるチームフリールーティン(FR)の決勝にアルバレスが出場できる可能性があると期待を示していたが、担当医は同日、国際水泳連盟(FINA)の求めで出場が見送られたことを明らかにした。同医師は「私の意見としては、出場できたはずだと思っている。そう強く確信している」と述べた。(c)AFP