【6月25日 東方新報】中国4大名園の一つに数えられる北京市の頤和園(Summer Palace)。その園内にある頤和園博物館で11日から、「絶芸交輝-英国ビクトリア&アルバート博物館と頤和園博物館芸術コレクション展」が始まっている。16世紀から20世紀にかけての中国とヨーロッパの芸術をテーマにした「文化の饗宴」が実現した。7月1日まで開催している。

 清朝時代の離宮として有名な頤和園。昨年9月に開館した博物館は展示面積2777平方メートルで、皇家園林(皇帝所有の庭園)の特色を備えた施設となっている。ビクトリア&アルバート博物館(Victoria and Albert Museum)は英国のビクトリア女王(Queen Victoria)と夫アルバート公アルバート公(Prince Albert)が基礎を築き、各国の古美術、工芸、デザインなど400万点の膨大なコレクションを誇る。

 コレクション展は、ビクトリア&アルバート博物館から88点、頤和園博物館から56点のえりすぐりの文化財を4コーナーに分けて展示。最初の「璀璨万象」コーナーは、16世紀以降の欧州の金銀細工の装飾品、明・清朝の皇室の工芸品が中心。東西のまさに璀璨(きらびやか)と言える芸術品が並ぶ。次の「精微入神」コーナーは、釉薬を施した琺瑯(ほうろう)や彫刻、肖像画、時計などの精密、微細で美しい小物類を展示。第3の「鑲嵌芸術」コーナーは、鑲嵌(象眼細工)のコレクション。17~19世紀の欧州の上流社会で流行した象眼細工の家具や首飾り、明・清朝の華麗な象眼細工の装飾品を集めた。最後のコーナーはV&Aが所蔵する「ロザリンド&アーサー・ギルバートコレクション」。ファッション業界で活躍したギルバート夫妻が収集した金銀細工や嗅ぎタバコの入れ物、モザイクなど20世紀の芸術品を展示している。

 今回のコレクション展は「オンライン観賞」を取り入れたのが特徴だ。中国の代表的SNS「微信(ウィーチャット、WeChat)」の公式アカウントにログインすると、3DやVRパノラマで展示品を観賞することができる。コロナ禍で移動が制限される中、現地を訪れなくとも、東西で栄華を極めた大英帝国と明・清王朝の芸術遺産を味わえる。(c)東方新報/AFPBB News