【6月24日 AFP】22日に行われた第19回世界水泳選手権(19th FINA World Championships)、アーティスティックスイミングのソロ・フリールーティン(FR)決勝では、演技後に気を失った米国のアニタ・アルバレス(Anita Alvarez)がプールの底から救出される出来事が起きた。しかし、事故の際にはライフガードが即座に反応しておらず、地元主催者と国際水泳連盟(FINA)が厳しい批判にさらされている。

 ハンガリー医療サービスの責任者を務めるベラ・メルケリー(Merkely Bela)氏は23日、地元メディアに対し、レスキュースタッフは「ライフガードが介入するタイミング」に関する「FINAが定めた非常に厳格な規則」に従ったと強調。「このルールの下では、何らかの出来事で競技プログラムが中断されたシグナルとして、FINAが派遣した審判員がプールへ飛び込むことがある」と説明した。

 さらに「水曜日(22日)の決勝では、審判からそのようなシグナルは何もなかった。選手のコーチからシグナルがあったとしても、彼らは介入を許可されていない」とした上で、「コーチが自身の責任でプールに飛び込んだ後、地元のライフガードが危険を察知して即座に介入を決断した。そうして、米国選手は彼らの助けを借りてプールから出ることができた」と述べた。

 統括団体のFINAも、今回の事故が適切に処理されたと指摘。「アーティスティックスイミングのソロ・フリー決勝で医療的緊急事態が起きて以降、FINAはアニタ・アルバレスとチーム、そして医療スタッフと緊密に連絡を取っている」とし、「アルバレス選手は会場で即座に医療チームから手当てを受け、健康は良好だ」と明かした。

 一方、米代表チームの広報担当者であるアリッサ・ジェイコブス(Alyssa Jacobs)氏は、現時点でもアルバレスが24日に行われるチーム・フリールーティン(FR)決勝に出る可能性があると発表。「アニタは元気にしていて、きょうは休養を取っている。チームドクターと大会の医療スタッフの両方からしっかり診断を受けている。2022年の世界選手権ではあと一つ決勝が残っていて、医療的な許可が出たら、あす競技が可能かどうか彼女が決めることになっている」と述べた。(c)AFP